ボディスキャン──体の“住所録”をつくる瞑想
今日のレッスンでは「ボディスキャン」を行いました。
ボディスキャンとは、体のひとつひとつの部位に意識を向け、感覚を丁寧に感じ取っていく瞑想法です。
体の“住所録”を作る時間
私は、ボディスキャンを「体の住所録を作るような作業」だと思っています。
頭・首・肩・胸・お腹・脚…と順に感じていくことで、脳はようやく「ここに体がある」と認識できるようになります。
普段、私たちは頭の中の思考ばかりが動いていて、体の存在を忘れがちです。
でも、意識を向けることで初めて、脳がその場所を「自分の一部」として再登録してくれるのです。
まるで、長い間連絡を取っていなかった親戚と、久しぶりに再会するような時間。
「やっと思い出してくれたのね」と体が微笑むような、そんな感覚です。
潜在意識は、いつもあなたを最適化してくれている
ここで少し不思議な話をします。
私たちの「潜在意識」は、実はいつも私たちをより良い方向に導こうとしています。
呼吸も、消化も、体温調整も、眠っている間の修復も。
意識していなくてもすべて、潜在意識が最適な状態を維持しようとしてくれている働きです。
ただし——。
意識がまったく体に向いていないと、潜在意識はその力を発揮できません。
住所録がない街には、荷物を届けられないように。
体の感覚に意識が向き、脳の中に「自分の全身の地図=戸籍」ができて初めて、潜在意識はその人を最適化し始めます。
つまり、意識を向ければ、体は勝手に整い始める。
それが、私がヨガや瞑想のクラスで一番伝えたいことのひとつです。
「生まれてから死ぬまでは下り坂」って本当?
よく、「人は生まれてから死ぬまで下り坂」というイメージがあります。
でも、私はそうは思いません。
私たちは、生まれてから死ぬ瞬間まで、常に「幸せになる」方向へ進んでいる。
少なくとも、潜在意識はそう動いています。
ある研究では、死の瞬間には脳から大量のホルモンが分泌され、
生きている間に感じる快感の何百倍もの幸福感を感じるとも言われています。
それが科学的に証明されているわけではありません。
けれど、もしそれが本当なら、私たちの体は「最後の瞬間まで幸せを感じよう」としてくれているのかもしれません。
私はこの話を知ってから、「老化=下り坂」という考え方を手放せるようになりました。
むしろ、生きている間じゅう、
潜在意識が“より心地よく、より幸せに”なるように最適化を続けてくれている——
そう思うと、日々の呼吸ひとつが尊く感じられます。
体は意識を向ければ、勝手に整う
私たちの体は、「意識が向いたところ」から変わっていきます。
痛みがある部分、冷たさを感じる場所、呼吸が浅い箇所。
それらに「気づく」だけで、筋肉の緊張が緩み、血流が変わり、神経の伝達が滑らかになる。
体の中で何が起きているかを感じている瞬間、
脳はその部位に電気信号を送り、「ここを整えよう」と指令を出しているのです。
ボディスキャンをしていると、よくあるのが、
『腕』『指先』
と体の部位が読み上げられると『無意識に』その体の部位がピクン、と動いてしまうこと。
これは、その場所を意識しただけで、その場所に神経伝達が起こり、電気信号が流れたということです。
そして、意識を向けられたところに自然と血流も巡っていきます。
だから、筋肉の形や、名前がわかっていなくても、
「そこにこんな筋肉があるはずだ」という意識で動かすと、
そのみたこともない筋肉は勝手に活性化していき、動き出すのです。
だから、意識を向けることこそが最高のセルフケア。
あなたが「感じてあげる」だけで、体はもう動き出しているのです。
意識を向けると、体は緩む
ボディスキャンを行っていると、
「あれ、肩が少し軽くなった気がする」「お腹が温かくなってきた」
そんな変化を感じる方が多いです。
それは偶然ではありません。
私たちの体は、活動するときに筋肉を収縮させます。
でも、収縮するためには「緩む」状態が前提。
つまり、緩めることを知らないと、本当の意味で動けない。
体に意識を向けることで、副交感神経が優位になり、筋肉が自然とゆるむのです。
野生動物に学ぶ、ゆるみの力
ライオンを見たことがありますか?
あれほどの筋力と迫力を持ちながら、狩りをしていないときはびっくりするほどリラックスしています。
草の上でだら〜んと寝そべり、しっぽだけが気まぐれに動いている。
でも、いざという時には一瞬で立ち上がり、全身が研ぎ澄まされた動きを見せる。
この“ONとOFFの切り替え”こそが、本来の生命力です。
そう、緩んでいないと、いざという時に動くことができないんです。
私たち人間はどうでしょう。
いつも頭の中が働きっぱなしで、
体も心も“ONのまま”固まっていませんか?
「緩む」ということを、現代人は少し忘れてしまっています。
緩むことは、快適に生きるためのスキル
ヨガのポーズも、瞑想も、呼吸法も。
すべての根底にあるのは「緩む力」。
緩むとは、「何もしないこと」ではなく、
「必要のない力を抜くこと」。
筋肉も神経も、常に緊張していると疲弊していきます。
でも、意識を向けることで体が「今、力が入りすぎているな」と気づき、
ふっと力を抜く。
それだけで、呼吸が深くなり、体内の流れが変わります。
この“緩む力”が、快適に動き、しなやかに生きるための基盤になります。
夜におすすめ、ボディスキャン
瞑想にはいくつかの種類がありますが、
中には脳を覚醒させるタイプの瞑想もあります。
朝や仕事前にはいいけれど、夜寝る前には向かないものも。
その点、ボディスキャンは「緩むための瞑想」です。
意識を体の感覚に戻していく過程で、脳波はゆっくりとシータ波に近づきます。
これは、まどろみのときと同じ脳波。
つまり、寝る前にボディスキャンを行うと、自然な眠りに導かれやすくなるのです。
今日から、ぜひ、ベッドに入ったら、ボディスキャンやってみてください。
本当に眠りの質が高まり、熟睡することができるような気がします。
ボディスキャンのやり方
-
静かな場所で横になるか、背もたれにもたれて座ります。
-
目を閉じて、呼吸を数回。
鼻から吸って、口から細く吐く。 -
頭のてっぺんから順に、体の部位に意識を向けていきます。
額 → 頬 → 首 → 肩 → 胸 → お腹 → 腰 → 脚 → 足先へ。
「ここに私の体があるな」と感じるだけでOK。 -
感じようとしても何も感じられなくても大丈夫。
その“感じようとする意識”こそが、すでにボディスキャンです。 -
眠ってしまってもOK。
まどろみの中こそ、潜在意識がいちばん働いている時間です。
おわりに
ボディスキャンをすると、さまざまな感想をいただきます。
「眠くなった」
「体が喜んでいる気がする」
中には、「催眠術にかかっているみたいで、体の感覚がなくなった」
などなど。
「体が暖かくなった」
「体のあちこちが痛い、という事に気がついた。」
それら、すべて
体が“やっと私に気づいてくれた”と感じている証拠です。
体に意識を向けること。
それは特別なスピリチュアルでも、難しい修行でもありません。
ただ、自分の体を思い出すこと。
意識を向けてあげれば、体は必ず応えてくれます。
潜在意識は、あなたをいつでも最適化しようとしてくれている。
今日も、自分の体に「おかえり」と声をかけてあげてくださいね。
そして、途中で眠ってしまっても——それは最高のボディスキャンですから。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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