香りを“合図”にする仕組み― アンカーとトリガーを整えに使う話 ―

「この香りを嗅ぐと、
なんだかホッとする」
「この匂い、昔の記憶が一気に戻ってくる」
そんな経験、きっと一度はありますよね。
香りには、
気分を変える以上の力があります。
それは偶然でも、気のせいでもなく、
脳と神経の“仕組み”そのものなんです。
今日は、
香りを「癒し」や「リラックス」だけで終わらせず、
自分を整える“合図”として使う方法を
アンカー・トリガーという考え方から、
やさしく紐解いていきますね。
香りは、脳に一番早く届く感覚

五感の中で、
唯一「考える前に」脳へ届く感覚。
それが嗅覚です。
視覚や聴覚は、
一度、大脳皮質を通って
「これは何だろう?」と判断されます。
でも香りは違います。
鼻から入った情報は、
そのまま感情や記憶を司る場所(扁桃体・海馬)へ。
だから、
- 理由はわからないけど落ち着く
- 体がふっとゆるむ
- 昔の感覚が一瞬で戻る
こんなことが起こるんですね。
香りは、
意識を飛び越えて、神経に直接触れる合図
そんな存在です。
アンカーとトリガーって、なに?

少し専門的な言葉ですが、
意味はとてもシンプルです。
アンカー
= ある状態と、感覚を結びつけること
トリガー
= その感覚をきっかけに、
同じ状態を呼び戻すこと
たとえば、
- 深く呼吸できたとき
- 安心して体がゆるんだとき
- ヨガや瞑想で静かになれたとき
その瞬間に、
いつも同じ香りをそっと使う。
これを繰り返すと、
「この香り=この状態」
という結びつきが、
脳と神経に自然と刻まれていきます。
そして後日、
同じ香りを嗅ぐだけで、
「あ、戻れる」
と、体と呼吸が思い出すようになる。
これが、
香りを“合図”として使う、ということなんです。
頑張らなくていいのが、いちばんのメリット

アンカーやトリガーというと、
「コントロールする」
「条件づける」
そんなイメージを持つ方もいるかもしれません。
でも、
ここでお伝えしたいのは
操作ではなく、思い出させるという使い方。
香りは、
- 集中しなきゃ
- 落ち着かなきゃ
- 切り替えなきゃ
そんな力を入れなくても、
「そうだった、こういう感じ」
と、神経を元の状態へ導いてくれます。
だからとても、やさしいんですよね。
疲れているときほど、
この“合図”が役に立つんです。
夜・朝・ヨガ前の香りの使い分け

ここからは、
具体的なイメージが湧くように、
時間帯ごとの使い方を少しだけ。
夜の合図におすすめの香り
ラベンダー
主成分:リナロール、酢酸リナリル
→ 神経の興奮を鎮め、呼吸をゆるめる
オレンジ(スイート)
主成分:リモネン
→ 緊張をほどき、安心感を与える

「眠らなきゃ」ではなく、
「今日を終えていいよ」という合図に。
枕元で深呼吸するだけで十分です。
朝の合図におすすめの香り

レモン
主成分:リモネン、βピネン
→ 脳をクリアにし、切り替えを助ける
ペパーミント
主成分:メントール
→ 眠気を覚まし、感覚をシャープに
“頑張るスイッチ”ではなく、
「目が覚めて、今に戻る」合図として。
ヨガや瞑想前の合図

フランキンセンス
主成分:αピネン
→ 呼吸を深め、意識を内側へ
でも、
いちばん大切なのは
「好き」と感じる香りです。
香りの合図は、
正解よりも相性。
心地よい、また嗅ぎたい、
それが一番の基準です。
香りは、条件反射じゃなく“信頼関係”
香りのアンカーは、
スイッチではありません。
無理に使おうとすると、
逆に効かなくなります。
だから、
- 良い状態のときに使う
- 嫌なときには使わない
- 少量で、そっと
これが長く続くコツ。
香りは、
「こうしなさい」と命令するものではなく、
「ここに戻っておいで」と
声をかけてくれる存在なんですよね。
次回予告・・・
香りを使っていて、
「今日はすごく落ち着いたのに、別の日はあまり感じなかった」
そんな経験、ありませんか。
実はそれ、
香りが合っていないわけでも、
感覚が鈍いわけでもないんです。
次回は、
「同じ香りなのに、効く日と効かない日がある理由」
そして、
香りが“その場かぎりの癒し”で終わらず、
日常の中でちゃんと整えに役立つようになるコツを、
やさしく整理していきますね。
ヨガや瞑想の時間だけでなく、
忙しい毎日の中でも
ふっと戻れる“合図”をつくる話です。
香りは、
今の自分を変えるための道具ではなく、
本来の自分に戻るための目印。
忙しい日ほど、
ひとつ合図があるだけで、
呼吸は驚くほど変わります。
今日も、
「戻れる場所」を
そっと用意してあげてくださいね。
それだけで、十分なんです。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
ハッピースマイルヨガ大宮 富澤理絵











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